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高血圧治療剤の発がん性リスク、医療機関に周知 - 厚労省、あすか製薬の自主回収で事務連絡(医療介護CBニュース)

厚生労働省は9日までに、あすか製薬が自主回収した高血圧治療剤「バルサルタン錠『AA』」に関する事務連絡を都道府県に出した。中国で製造していた原薬から発がん性があるとされる物質の「N―ニトロソジメチルアミン」(NDMA)などが検出されたことを踏まえた措置。あすか製薬が発がん性のリスクなどを医療機関に周知するとしている。【新井哉】

 同剤を巡っては、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会が服用による健康への影響評価を行い、NDMAの混入濃度の最も高い原薬から製造された160mg錠(最大用量)を4年間に毎日1錠服用した時の発がんリスクについて、「1万5000人から3万人に1人が生涯その暴露により過剰にがんを発症する程度のリスクに相当する」としていた。

 また、米食品医薬品局(FDA)なども9月、発がん性があるとされる「N―ニトロソジエチルアミン」(NDEA)を検出したと発表。厚労省は、あすか製薬に対し、これまで製造に使用した全原薬ロットについてNDEAの分析を行うよう指示を出した。その結果、原薬9ロットのうち5ロットで0.26―2.5ppmのNDEAが検出された。

 あすか製薬は、医療機関に対し、▽同剤は自主回収が終了しており、市場には流通していない▽服用した時の発がんリスク▽2014年6月から16年3月までに同剤を処方された患者数は約1万9000人―などの情報を文書で周知するという。

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