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前立腺がん 患者の意識調査 家族の半数が受診同行せず
進行すると骨転移し、骨折などが起こりやすくなる前立腺がんについて、患者が受診する際、家族の約半数は同行していないことが製薬会社の意識調査で分かった。専門家は「医師にとって家族からの情報を得るのは本来、重要なこと」としている。
バイエル薬品(本社・大阪市)が昨年12月、患者や元患者103人、家族103人を対象にインターネットでアンケートを行った。
調査によると、「同行することはない」と答えた家族は54%。さらに、全体の4人に1人に当たる25%は、同行しないだけでなく「主治医の説明内容も共有されていない」と答えた。
治療の不安については、患者の73%が「がんが転移しないかどうか」と回答。不安を誰に相談するか(複数回答)は、患者の65%が「配偶者」、52%が「医師」と答えたものの、「相談しない」という患者も15%いた。その中には、家族が同行せず、情報共有されていない患者も多くいるとみられる。「相談する」と答えた患者の42%は、相談したことで「不安が和らいだ」という。
この結果について、佐藤威文(たけふみ)前立腺クリニック(東京都町田市)の佐藤威文院長は「前立腺がんでは患者さんが単独で受診するケースが多いと感じていたが、今回の意識調査でもそれが裏付けられた」とし、「患者と家族がともに治療に臨むことで不安も軽減される」と家族のサポートの重要性を強調する。