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男性も「乳がん」発症 患者も情報も少なく、特有の悩み

女性ではがんの中で最も多い乳がんが男性にも発症することはあまり知られていない。女性に比べて患者がとても少なく、がんの発見が遅れることもあるという。NPO法人キャンサーネットジャパン(東京)は、特有の悩みを語り合う患者の交流会を開いて、孤立しがちな患者の支援とこの病気への理解を広める活動を始めた。

◆受診遅れがち?

 日本乳癌(がん)学会の登録によると、平成27年に新たに乳がんと診断された患者は8万7千人余り。このうち男性は1%未満の560人だ。

 国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科の下村昭彦医師は「家族歴などの遺伝的要因や年齢、肥満などがリスク因子となると考えられています」と話す。

 男性が乳がんに気付くきっかけのほとんどは乳頭直下の「しこり」。乳の形に左右差が生じることもある。乳がんを日頃から意識する女性と違い、男性は病気が進んでから受診する人が多いといわれる。下村医師は「知られていないことが受診の遅れにつながるのでは」と懸念する。

 下村医師によると、男性乳がんだけを対象とした治療は開発されていないため、女性に準じて治療される。手術が可能ならがんを切除し、手術後は抗がん剤や放射線治療などを組み合わせて再発を防ぐ。

◆同病者とは初対面

 キャンサーネットジャパンは近年、「男性乳がん患者が同病の人に会う機会がない」との相談が増えた。このため、患者が集まって気さくに話ができる「メンズBC」(BCは乳がんの英語の頭文字)を企画。第1回を今年1月に開いた。

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