介護・医療関連ニュース
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20年後の介護人材、68万人不足の可能性-経産省の研究会が推計(医療介護CBニュース)
経済産業省は、団塊の世代が85歳以上となる2035年の介護需要や必要となる介護人材の推計値などを発表した。それによると、35年には15年と比べて100万人以上、介護人材を増やす必要があるとしており、効果的な対策を講じなければ、不足する人材は68万人分に達することなどが示されている。【ただ正芳】
経産省の「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会」は、厚生労働省や人口問題研究所などがこれまでに公表したデータに基づき、35年段階の介護需要や、介護人材の需給ギャップなどについて推計し、報告書として取りまとめた。
■労働人口に対する介護サービス受給者、20年後には倍近くに
推計によると、35年には、要支援や要介護2以下の介護(予防)サービス受給者は、15年の1.5倍に相当する471万人に、要介護3以上の介護サービス受給者数は、15年の1.7倍に相当する343万人まで増加すると予測。労働力人口に対する受給者の割合は、15年の8.5%の倍近い15.7%に達するとしている。
推計では、こうした介護需要の拡大に伴い、必要な介護職員数も右肩上がりで増え続けると見込んでおり、15年には187万人だった介護職員は、35年には295万人が必要になるとしている。一方で供給される人材については、現状のまま推移すれば227万人にとどまると推定しており、人材の不足分は約68万人に達する可能性があると予測している。
■不足解消策として、集住の促進や高齢者の活躍なども提示
報告書では、将来の介護人材不足を解消するための対策も示している。具体的には、▽機器・ITの導入による介護職員の労働時間の短縮や負荷の軽減▽高齢者などの潜在的なリソースの活躍▽集住の促進-などを進め、介護職員の離職率の低下や高齢者の活用を進める必要があるとしている。