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知ってる?65歳以上の2人に1人以上がリスクをもつ口の老化「オーラルフレイル」

私たちは日々、当たり前のように食べ物を噛んだり、飲み込んだりしている。その当たり前が困難になる「オーラルフレイル」という現象をご存じだろうか?

「オーラルフレイル」とは、滑舌の低下、食べこぼし、飲食時の「むせ」など、ほんのささいな口の衰えをきっかけに口の機能が低下し食べる機能の障害へと進み、これが、体力・筋力の低下を招き、全身のフレイル(虚弱)につながるという概念のこと。

このほど、サンスターグループにより、一般男女600名を対象に「オーラルフレイルに対する意識調査」が行われたところ、65歳以上の人の5割以上が「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」に該当することが判明した。

※グラフありの元記事は下記同タイトルをクリックすることで見ることができます

2人に1人が「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」という結果に
まず、オーラルフレイルの問題がどの程度の人に影響を与えているかを明らかにするために、オーラルフレイル リスクチェックの設問が設けられた。



結果は、3点「オーラルフレイルの危険性あり」が22.0%、4点以上「オーラルフレイルの危険性が高い」が30.8%となり、5割以上がオーラルフレイルの危険に晒されていることが明らかになった。



年代別に結果を見ると、65歳以上で「オーラルフレイルの危険性あり」が18.0%、「オーラルフレイルの危険性が高い」が38.0%という結果になった。また、64歳以下だと「オーラルフレイルの危険性あり」が23.3%、「オーラルフレイルの危険性が高い」が28.4%という結果になった。



65歳以上のオーラルフレイルの兆候とは?
65歳以上の人について オーラルフレイルリスクチェックの詳細な結果を見ると、「義歯入れ歯)を使用している」の割合が43.3%となっており、義歯の適切な使用や、定期的な歯科医院での調整が課題となっている。

また、具体的なオーラルフレイルの症状である「口の乾きが気になる」「さきいか・たくあんくらいの硬さのものが噛めない」などの項目は、5人に1人以上が該当していることがわかった。

特に、「歯科医院の受診が、1年に1回未満」の割合は28.0%に及び、65歳以上の人でも、多くの人が専門家による定期的なケアを受けていない実態が明らかになった。



さらに、64歳以下の人のオーラルフレイルチェックリストの結果を見ると、65歳以上の人に比べて「歯をみがく頻度が1日に2回未満」「歯科医院の受診は1年に1回未満」のスコアが 10%以上高い結果となり、統計的検定(5%水準)で有意差があることがわかった。

このような傾向が、64歳以下の人でも「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」が5割以上という結果につながっており、習慣的な歯・口周りのケア方法や意識に改善の余地があることが示唆された。



「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」人は、食習慣やコミュニケーション量に問題?
次に「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」人の生活習慣に関する設問の回答を見ると、特に「忙しい時など早食いをしてしまう(51.8%)」「普段硬いものをあまり食べない(36.6%)」といった食生活に関する問題についてのスコアが高く、いずれも“オーラルフレイルの危険性が低い”人に比べて 10%程度高い結果となり、統計的検定(5%水準)で有意差があることがわかった。

また、「人とほとんど話さない日が週に1日以上ある(36.6%)」のスコアでも約 10%程度高く、統計的検定(5%水準)でも有意差が認められ、コミュニケーションが少なく食事以外で口を使う機会が少ない可能性があることが明らかになった。



「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」人は、危険性が低い人に比べて食べたいものを我慢している
「オーラルフレイルの危険性あり・危険性が高い」人は、食べたいものを我慢している割合が19.5%で、「オーラルフレイルの危険性が低い」人の7.1%に比べて2.7倍高いという結果となり、統計的検定(5%水準)で有意差があることがわかった。



食べたいものを我慢する人全体で、我慢している理由を確認すると、1位「歯の間に物が詰まる(46.3%)」、2位「歯茎に痛み・出血などの不安がある(26.8%)」、3位「噛む力が弱い(25.6%)」という結果となった。



<調査概要>
対象エリア :全国
対象者 :20歳以上の男女600人(有効回答数) ※5歳刻み各50名で均等に割付
調査期間 :2019年11月16日~ 11月18日
方法:インターネット調査

出典元:サンスターグループ

構成/こじへい

@DIME