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ベジタリアンに脳卒中率高いとのデータ、過剰乳製品でガンも
日々の食事を考えるうえで重要なのは科学的根拠(エビデンス)である──そう指摘するのは、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社刊)がベストセラーとなった、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)助教授の津川友介医師だ。
「日本で紹介されている健康に良いとされる食事法には、医学的に『逆効果である』、『効果がない』という結果が出ているものも少なくない。個人の経験則に基づき、たしかなエビデンスがない情報も散見されます。
普段から食生活に気を遣っている人ほど、そうした間違った健康情報を実践している可能性がある」
近年発表された医学論文をもとに検証していくと、これまで“常識”と思われていた食事法の多くに「言ってはいけない真実」が見つかった。
◆「肉を減らして野菜を多く」で脳卒中リスク20%増
野菜を食べることが健康に良いとされる半面、肉食には肥満やコレステロール過多などによる生活習慣病のリスクがあることがたびたび指摘される。しかし、今年9月4日に英国の権威ある医学誌『BMJ』上で発表された研究では、その“定説”を覆す結果が出た。
同研究は、英オックスフォード大学のタミー・トン氏らがベジタリアン(菜食主義)と「虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)」「脳卒中」との関連を18年以上、追跡調査したもの。対象は、英国の男女4万8188人だ。
そのうち、肉を全く食べない「菜食群」と「肉食群」を比較したところ、菜食群の脳卒中発症リスクは、肉食群よりも20%増加したという。この結果をどう読み解くべきか。前出・津川医師が解説する。
「同研究では、菜食群と肉食群に加え、『魚食群(野菜と魚は食べるが、肉は食べない)』も比較していますが、彼らの脳卒中リスク上昇は認められていませんでした。
つまり、この結果が示しているのは、『野菜が脳卒中のリスクを上げる』ということではなく、『魚介類を含めて動物性のたんぱく質を一切摂取しないと、足りない栄養素が出てくる』ことだと考えるべきでしょう。従来の医学論文を踏まえても、野菜のみの極端な食生活にするのではなく、動物性のたんぱく質、特に魚は積極的に食べたほうが良いと考えられます」
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