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このままでは認知症に?今なら間に合う「脳によい」食事・生活習慣
近年、認知症の患者は増え続けている。厚生労働省によると、2025年にはその数は700万人を超えるとされており、これは65歳以上の5人に1人が認知症になる計算だ。一方で、年をとってもいつまでも見た目が若々しく、頭の回転が速い人もいる。認知症になる人とならない人は、一体何が違うのだろうか。『ボケない人がやっている 脳のシミを消す生活習慣』(青春出版社刊)の著者・本間良子医師/本間龍介医師が認知症になる原因を解き明かし、日常で気をつけるべき習慣について解説する。
● いつもの食事に含まれる“脳によくない3つの成分”とは
認知症にならないようなスッキリした脳をつくるためにできることは、「体に負担になるもの、脳に悪影響を与える要素をなるべく入れない」「毒素はためずに、こまめに出す」など、とてもシンプルである。
その中の「脳に悪影響を与える要素を入れない」というのは、具体的にいうと「腸の粘膜を傷つけるものを入れない」ということだ。腸の調子を整えることが、リーキーガット(腸もれ)を防ぎ、リーキーブレイン(脳もれ)を防ぐことにつながるのは、前回(『このままでは認知症に?今なら間に合う「脳によい」食事・生活習慣』)述べた通りである。そのため、今日の医学では「脳は腸から治す」という流れになりつつあり、まずは腸の様子を整えることで脳を落ち着かせることが重要視されているのだ。そもそも、なぜ腸が大事なのかというと、食べ物に直接触れる臓器であり、「食べた物の影響を直に受けやすい」臓器だからである。食べ物は口から入って食道、胃を通って腸に到達し、腸は食べ物の良い要素を吸収する。しかし、腸の粘膜が傷ついてしまうと、体にいいものも悪いものも素通りで入ってきてしまう状態になり、本来吸収すべきでない細菌や有害物質などの毒素も、簡単に腸壁を通り抜けてしまうのだ。
では、腸の粘膜を傷つけやすいものとはどのようなものだろうか。細かく言えばいろいろあるのだが、まずは次の3つを覚えておいてほしいと著者はいう。
(1)グルテン(小麦に含まれているたんぱく質)
(2)カゼイン(乳に含まれているたんぱく質)
(3)甘いもの(糖質)
この3つの共通点は、腸の粘膜を荒らし、腸内環境を悪化させることである。
これらの要素が健康に良くない影響を及ぼすことは、近年認知されてきている。それぞれ「グルテンフリー」「カゼインフリー」「糖質制限」といった言葉として知っている人も多いのではないだろうか。「グルテンフリー」とは、麺類や菓子類など小麦を含む食品を避けることだが、さらに、「カゼインフリー」は、カゼインを含む牛乳、チーズ、ヨーグルトなどを避けること、「糖質制限」は、お菓子やスイーツだけでなく、糖質(炭水化物)全般を減らす必要がある。
「この3つを避けたら、いったい何を食べたらいいのか」という声が聞こえてきそうだが、これらを2週間摂らないだけでも腸内は劇的に変わるのだ。深刻なトラブルを抱えていない限り8~9割の人は改善されると著者はいう。これを実践して健康な体を手に入れたら、逆に少しぐらいグルテン、カゼイン、糖質を摂っても悪影響を受けないぐらいになるだろう。
● 健康のためには、美白や保湿より「○○できる皮膚」!
腸にとって悪いものは「入れない」。これを実践したら次は毒素を「出す」ことである。腸から出すというと、やはり大切なのはお通じだ。本来、体にとって不要なもの、入れるべきでない毒素は、便として排泄される。1/3ページ