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認知症「拒食」にどう対応 無理強いは逆効果、楽しむ機会に
食事を取りにくくなった認知症の人に向けた料理を学ぶ教室が12月2日に京都府向日市鶏冠井町の勝山中である。認知症の周辺症状「拒食」への対応は介護者の悩みの一つ。食べやすいメニューや食事の形態を紹介する取り組みに、主催者は「本人と介護者が一緒に食事を楽しむ機会になれば」と呼び掛ける。
認知症になった人が食事を取らなくなる「拒食」は、味覚や嗅覚の変化、のみ込みにくくなる「嚥下(えんげ)障害」などが原因とみられる。周囲は不安を感じ、食事を無理強いした結果、拒食への抵抗が強まり、介護がさらに困難になる場合も少なくない。
向日市社会福祉協議会は、介護の負担軽減につなげようと企画。地域の診療拠点「認知症疾患医療センター」を院内に開設している西山病院(長岡京市今里)と共催する。
当日は、認知症の人ら入院患者約260人に食事を提供している西山病院栄養科長の林秀樹さんが講師を務める。嚥下能力の程度によって変わる食事の形態など、認知症の人の食事について説明した後、参加者とカブラ蒸しなど3品を調理する。口当たりと味を変えて食べやすくするあんかけや、活用可能な調味料のレシピなどを伝える。
林さんは「その人の状態や好み、習慣などを考えることが大切。認知症の人の食事づくりに少しでも役立てば」と話す。
午前11時~午後1時。対象は向日市在住で介護をしている人。無料、先着15人。