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認知症を発症した人の財産を守る!「法定後見制度」ってどんな制度?
老後に向けてしっかり資産形成ができていたとしても、認知症を発症した場合は保有している財産が凍結されてしまいます。その対策として「成年後見制度」という制度が注目を浴びています。これには、認知症を発症した方が利用する「法定後見制度」と、意思判断能力があるうちに将来の後見人を決めておく「任意後見制度」の2つがあります。今回は「法定後見制度」について、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が解説いたします。
■法定後見制度とは?
法定後見制度とは、認知症を発症し、意思判断能力が低下した方が利用できる制度のことです。こちらの場合、基本的に家庭裁判所が後見人を選定します。子どもが立候補することも可能ですが、その際の判断も家庭裁判所が行うことになります。ちなみに、昨今の傾向としては、親族間のトラブルを避けるために、子どもも含めて親族は後見人として選出されないことが多いようです。
なお、法定後見制度には以下3つの区分が存在します。
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「□ 自己の財産を管理・処分することができない(後見相当)」
であれば「後見」
「□ 自己の財産を管理・処分するには,常に援助が必要である(保佐相当)」
であれば「保佐」
「□ 自己の財産を管理・処分するには,援助が必要な場合がある(補助相当)」
であれば「補助」
(出典:成年後見制度についてよくある質問/裁判所ウェブサイト)
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法定後見制度を利用する際には、被後見人が「後見相当」・「保佐相当」・「補助相当」のどの区分に該当するのかを医師に診断してもらうことになります。
物忘れが増え、契約書などの理解が難しい状態が「補助」です。3区分の中で一番軽い状態と言えるでしょう。次に、日常の買い物くらいはできても、意思判断能力に衰えが目立つ状態を「保佐」と言います。そして、意思判断能力に最も欠ける状態を「後見」と言います。いわゆる意思判断能力に欠け、日常の買い物などもできない状態です。1/2ページ