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「歯の磨き方」でリウマチにも効果!口内環境と腸内環境の密接な関係

小西恵美子さんは、24歳のときにリウマチを発症し、長年闘病を続けてきた。薬漬けの日々を脱却したいと、鍼灸やツボナージュなどの東洋医学も学んで体質改善の決意をしたのは、発症してから20年近く経ってからのことだった。

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 そして今、発症より30年経って、一番体調がよく、薬のない生活を送っている。治療法については小西さん個人の体験ではあり、治療の効果は個人差があるが、身体の仕組みや栄養の意味を知り、身体本来の力を強めるのは、健康な体の人にとっても大切なことではないだろうか。

 小西さんが分子整合栄養医学の先生の元に実践し、その効果を体感した「食べ方」により、身体本来の力が上がったことを実感してきたという。その食べ方についてはこれまでの連載でもお伝えしてきたが、今回は「食べた後」の対処法を教えてもらおう。「歯の磨き方」が健康に大きく影響するというのだ――。

歯周病菌がリウマチの発症に関係していた

 最近、テレビや雑誌で口内環境、腸内環境をいい状態にすることが健康な身体のために大切だと言われるようになった。

 私が分子整合栄養医学のIさんに出会って間もなく訊かれた。

 「1997年に関節リウマチ患者に歯周病の罹患頻度が高いことが初めて報告されました。リウマチの発症原因に歯周病菌が関係していると言われています。リウマチ患者は歯周病にかかりやすく、歯周病があるとリウマチは悪化しやすいとも言われています。2、3ヵ月に1回は、歯科衛生士の歯のクリーニングを受けていますか。歯の磨き方は正しいですか」

 私はリウマチと歯周病菌がつながるとは思ってもいなかった。

 「歯と歯肉の間には、通常1~2mmの深さの歯肉溝があります。そこに歯垢がたまると、歯周病を引き起こす細菌の感染で歯茎が腫れて炎症が広がったり、歯と歯肉の間に歯周ポケットができたりします。3mm以上だと歯周病です。

 歯周ポケットの中では、歯垢の中に毒性の強い細菌が入り、歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質)を壊していきます。そればかりではなく、唾液をとおして小腸や大腸まで菌が運ばれていきます。呼吸から肺にも入っていきます。また歯茎の毛細血管から身体全体に運ばれ、毒性の強い細菌が各所で悪さをします。

 さらに、歯周病はインスリンの働きを防ぎ血糖のコントロールを困難にします。糖尿病にも関わってきます。すい臓がん、脳卒中、狭心症、誤嚥性肺炎、慢性腎疾患、低体重児早産、冠動脈心疾患、炎症性腸疾患、骨粗しょう症、アルツハイマー病、老化にも影響しているとわかってきました。すい臓は毛細血管が少ない臓器ですから、菌が入ると悪循環に陥りやすいのです。誤嚥性肺炎は菌さえ奥に入らなければ発症せず、食べものは出てきます」

 日本人の死因の第1第はがん、2位は心疾患、第3位は脳血管疾患。歯磨きで歯周病菌が減れば、これら病の予防も期待できる。

 「歯垢や歯石を取り除くことはとても大切です。歯磨きの仕方が間違っている人がたくさんいます。ブラッシングだけでは歯垢や歯石は取りきれないので、歯科衛生士にクリーニングしてもらう必要があります」

 私の手はリウマチ特有の関節の変形があり、痛みを伴う。その手で歯ブラシを持つのだから、ブラッシングが行き届いていたとは思えない。痛みを感じると簡単にすませていた。歯磨き粉の清涼感が口に広がると、きれいになった気がしてしまう。

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