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下肢静脈瘤に注意!セルフチェック診断のススメ
「脚の血管が浮き出て、見た目が気になる」「夕方になると脚がむくんでだるい」……その原因は「下肢静脈瘤」かも? 脚の静脈が正常に働かなくなることで発症し、放置しておくと確実に悪化します。しかし対処法を正しく知れば、自分で進行を防ぎ治せます。
心当たりはありませんか?下肢静脈瘤の危険度チェック
□脚がむくむ、ときどきかゆい
□こむら返りがよく起こる
□脚が重だるく、疲れやすい
□長時間立ち続けるか、
□座りっぱなしでいることが多い
□妊娠・出産を経験している
□運動をする習慣がない
□お風呂は、シャワーで済ませることが多い
これに当てはまる項目が多いほど、下肢静脈瘤を発症する可能性が高まります。たくさん当てはまる人は、すでに症状が進んでいる可能性も……。今はまだ症状がない人も、このままの状態が続くと発症するかもしれないので要注意です。下肢静脈瘤は、どんな病気?
下肢静脈瘤は、50歳以上で約6割がなる血管の病気。正しく知れば怖くありません
下肢静脈瘤とは、脚の静脈に血液がたまり、コブや模様のように浮き出てくる病気です。見た目の変化ばかりでなく、脚のむくみや重だるさ、こむら返り(脚がつる)などが起こることもあります。50歳以上で約6割、70歳以上になると10人いれば7人以上が患っている(下のグラフ参照)、ごく一般的な病気です。
「脚の違和感に気付いていても、『歳のせいだろう』『自分の脚はこんなものだろう』などと勝手に思い込み、何年も放置して症状を悪化させてしまう人が少なくありません」こう指摘するのは、慶友会つくば血管センターのセンター長、岩井武尚(いわい・たけひさ)さんです。では、下肢静脈瘤はなぜ起こるのでしょう? 私たちの体内で、血液は心臓から動脈を通って体のすみずみに届き、そこから静脈を通って心臓に戻ります。脚の静脈は、心臓から最も遠く、重力に逆らいながら心臓に血液を戻さなければなりません。そこで、血液が足先の方に逆流するのを防いでいるのが、静脈内にある「弁」です。
「この弁が壊れてしまうと、血液が逆流して血管内にたまり、静脈を押し広げます。その結果、血管が太く曲がりくねったり、こぶのように浮き出てきたりするのです(下図参照)」と岩井さん。弁が壊れる理由は、はっきりとわかっていませんが、「歯周病を引き起こす細菌などが血液に入り込み、静脈の弁に付着して壊してしまうのではないかと考えられる」と話します。
血液が足先に戻るのを防ぐ「弁」が壊れると、逆流した血液が血管内にたまって静脈が太くなり、さらに太くなるとヘビのようにくねくね曲がった状態になります。1/2ページ