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舌を見れば健康状態が分かる!「危険舌」5つのタイプ

● 「舌」を観察するだけで、 自分の体調が客観的に分かる

 「口の中は、その人の体質や健康状態など、さまざまな情報が集まっています。特に、舌は変調のサインが真っ先に表れる場所なのです」

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 口臭治療を専門とする中城歯科院長・中城基雄医師はこう話す。東洋医学にも精通している中城先生は、歯だけでなく口の中全体を観察する。東洋医学では体調を見る際に全身にサインが表れるが、特にそのサインが集中するのが口の中。舌の色や形、口臭から、その人の健康状態や、体質、なりやすい病気が分かるのだという。

 「東洋医学では『気』『血』『水』で体調を見るのですが、口の中はこの3つがそろっている唯一の組織です。血は血流状態を指し、舌の色や静脈を、水は水分量で唾液の量や舌の潤い具合を見ます。気は自律神経で舌の動きや形状から分かります」

 「理想の舌」は、淡いピンク色で少し白いコケがついている状態。小学校低学年くらいまでの多くの子どもが持つ舌だ。しかし、私たちの舌は年齢を重ね、独自の生活習慣が積み重なることで、徐々に色や形が変わり、体調に変化が表れるようになる。

 つまり、舌を観察することで自分の体調を客観的に把握することができるのだ。中城医師が分類する口の中のタイプは、大きくわけて5つある。

 (1)カッカッ熱化タイプ、(2)ネバネバ湿化タイプ、(3)カラカラ乾燥タイプ、(4)ドロドロ血流タイプ、(5)ギザギザ浮腫タイプ、だ。

 そこで、5つのタイプの特徴について、それぞれ中城医師に解説してもらった。タイプごとにオススメの食材もある。

 舌を見る時は太陽の光の下が最適だが、室内で見る場合は白熱球と蛍光灯が両方点いている光の下がいい。舌の大きさ、形、コケの色、舌の裏の静脈など、鏡を見たり、家族で互いの舌を見比べてみたりしてほしい。

● (1)カッカッ熱化タイプ 糖尿病や高血圧に要注意

 舌が赤く血流の多い「熱タイプ」で、肉の焦げたような口臭がする。舌が赤くコケは少なめで一見するとツルリときれいに見えるが、舌が赤すぎるのは熱で体がのぼせている状態を意味する。

 「このタイプの人には美食家が多く、糖尿病や高血圧といった病気になりやすい体質です。男性に多く見られますが、更年期以降の女性にも時々見られます。舌が赤いのは、体全体が炎症を起こしているような状態で、舌が赤すぎるとピリピリした痛みも伴っているでしょう。舌のコケがつかないほどまで赤くなると、脳梗塞のリスクが考えられます。いちごのように真っ赤になっている場合は、専門医に診てもらってください」

 性格的な特徴は、短気で怒りっぽい傾向。押しが強く、バリバリと仕事をする人も多い。
 
 胃に熱がこもるタイプなので、胃の熱を下げてくれるハトムギ茶、そば、きゅうり、かき、しじみなどを食べるとよい。

● (2)ネバネバ湿化タイプ 胃と肝臓が弱くて硫黄のような口臭も

 口の中は粘着質で、唾液が粘りやすく、黄色いコケが舌についている。このタイプの人はゲップが出たり、鼻炎や関節炎になりやすく、粘り気のある鼻水が出るなど、全身的にどこか「粘り」がある。胃と肝臓が弱く、口臭は硫黄のような臭いが特徴。

 「このタイプの人がストレスにさらされたり、緊張状態が続いたりすると交感神経が優位になり、痰が出やすくなります。最近若い人の間にも増えているのが、喉のつかえを感じるというもの。しかし、検査をしても喉には何の異常も出ません。原因はストレスだと考えられます。本来、体液はサラサラと流れているものですが、長時間のストレス下で体が少しずつ燃焼し続けた状態となり、水分が奪われて体液に粘りが出てきて、鼻や喉や関節など、体のさまざまな所にたまりやすくなります」

 また、もともと体に“湿”をためやすい体質であるため、湿気の多い梅雨時になると疲労、頭重感、めまいなどを訴える傾向がある。「本来体が抱えている“湿”に、季節の“湿”がプラスされることで不調が出やすくなるのです」(中城医師)

 このタイプの人にいいのは湿を出す食べ物。メロン、スイカ、セロリ、白菜、ウーロン茶、緑茶などがある。

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