介護・医療関連ニュース
-
【予備群も危ない!糖尿病でリスク上がるがんと認知症】高血糖を放置すると危険なワケ 糖尿病でリスク上がるがんと認知症
40歳以上が受ける「特定健康診査」、いわゆるメタボ検診や、企業や自治体が行う健康診断で、指導を受けたまま放置している人はいないだろうか。この連載では、とくに糖尿病やその予備群(境界型)、さらに健康と境界型の間の状態を放置しておくと、なぜ危険なのかに焦点を当てて5回にわたり説明したい。
なぜそこに焦点をあてるかというと、実はさまざまな研究結果で、いわゆる糖尿病の3大合併症と呼ばれる病気(網膜症、腎症、神経障害)や動脈硬化がもたらす心臓病や脳卒中だけでなく、がんや認知症といった、死亡や寝たきりに直結する病気と糖尿病が大きく関係するということがわかってきているからだ。さらに、糖尿病と診断された人だけでなく境界型の人でも、糖尿病になる前にがんになったり認知症になったりするリスクがあるということがわかっている。
糖尿病やそれらの病気のリスクを下げるためには、できれば境界型やそれ以前の、血糖値がやや高めのときから病院を訪ねたり、食事や運動などの生活を見直す努力を始めてほしい。
血液検査で糖尿病を調べる検査項目(糖代謝)は、血糖、とくに朝食を抜いてくるように言われて測る「空腹時血糖」と、「ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)」だ。空腹時血糖は、計測したときの血糖値がわかり、HbA1cは過去1~2カ月の血糖の平均値がわかる。
この検査項目で、血糖が126mg/dL以上で、なおかつHbA1cが6・5%以上であれば、確実に病院行きを勧告され、糖尿病と診断される。
しかしそこまではいかなくても、血糖が単独で110mg/dL以上126mg/dL未満、HbA1cが6・0~6・4%の場合は「境界型」だとされ、精密検査をするように指導される。