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「コレステロール=悪」は古い!控えるべきでない人もいる(ダイヤモンド・オンライン)
「コレステロール=悪」は古い!控えるべきでない人もいる
3/5(月) 6:00配信
● コレステロールは悪者か 2014年から目標量の基準は撤廃
コレステロールと聞くと悪いイメージを持っている人が多いのではないでしょうか? しかし、コレステロールは私たちの体にとって大切なものなのです。
コレステロールは体内で合成できる脂質で、細胞やホルモンの材料になります。機能が正反対になっている2種類があり、LDLコレステロールは、肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶ役割を担っています。それに対してHDLコレステロールは、余分なコレステロールを全身から集めて肝臓に戻す役割を担っています。
かつてはコレステロールの摂取基準(目標量)が定められていました。しかし、厚生労働省が2014年3月に発表した日本人の食事摂取基準(2015年版)から、コレステロールの摂取基準はなくなりました。食事から摂取されるコレステロールは、体内で作られるコレステロールの3分の1~7分の1ほどしか占めていないため、影響は少ないということが分かってきたからです。
ただ、いくら基準がなくなったとしても、「コレステロールを多く含む食品をどれだけ食べてもOK」ということではありません。体内でコレステロールが合成される量や使われる量は、個人差が大きいということを覚えておかなければなりません。遺伝的背景や代謝状態に影響されるからです。
つまり、コレステロールをどれくらい摂ればよいか? どれくらい抑えればよいか? は人それぞれと言えます。しかし、健康診断で「高コレステロール」と診断された人や遺伝的にコレステロールが高めの人は、心筋梗塞や脳梗塞などの病気にもつながりかねないので、摂取量に注意した方がよいでしょう。
注意の仕方は体型や年齢などの条件によって変わってきます。順にご説明していきます。● 肥満・遺伝・更年期のタイプ別対策法 ただし75歳以上の人は摂ってOK
(1)太っている人
まず、体重がオーバーしている人は、体重を減らすだけでもLDLコレステロールの数値を下げることができます。まずは、体重を落とすことを目標にして食事習慣の改善や運動習慣を取り入れていくとよいでしょう。
食習慣では特に、揚げ物や油物の料理、脂が多い肉、バターやクリームなどの油脂を含むお菓子を控え、その代わりに赤身の肉、魚、食物繊維を多く含む食品を意識して摂ることがポイントです。
食物繊維は、余分なコレステロールの排出を促してくれます。野菜やきのこ、海藻、豆などの食物繊維を多く含む食品を毎食摂ることも意識していきましょう。毎食、副菜の小鉢や汁物を2皿食べることを目標にするとよいですね。
(2)更年期の人
次に、女性の場合、更年期からコレステロールが上がってしまったという人も多いかと思います。女性ホルモンの「エストロゲン」にはLDLコレステロールの増加を抑える働きがあるため、閉経後にコレステロールが高くなることが多いのです。このケースも食事の見直しをしていくことが大切です。
・3食以外に油脂の多いケーキやクッキーなどの間食を摂っていないか?
・クロワッサンやデニッシュ系のパンや菓子パン、クリームチーズのような油脂の多いチーズを摂り過ぎていないか?
このように、知らず知らずのうちに脂を摂り過ぎていることがあります。更年期は心身ともに大変な時期ですが、食習慣を改善するきっかけにしていきましょう。
(3)遺伝
若い頃から健康診断でコレステロールが高めに診断される人は遺伝的なものかもしれません。この場合は、食事や運動などの生活習慣の改善だけでは難しいので早めに病院を受診しましょう。
(4)高齢者
75歳以上の高齢の人は、コレステロールを多く含む食品を控えないようにしてください。コレステロールを多く含む食品は、タンパク質を多く含む動物性のものが多いため、控え過ぎるとタンパク質が不足しがちになり、低栄養になってしまうことがあります。
高齢の方は、コレステロール値を気にして食事制限するよりも、低栄養にならないようにすることの方が大切です。
コレステロールを多く含む食品には以下のようなものがあります。(1)~(3)に当てはまる人はこうした食品は控えるようにしましょう。
牛脂/ラード/バター/脂身の多い肉/ベーコン/サラミ/レバー/コンビーフ/卵/マヨネーズ/イカ/タコ/エビ/うなぎ/いくら/タラコ/クリームチーズ など1/2ページ