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急性脳炎の報告数、昨年同期の2倍近くに-目立つインフル関連、15歳未満が8割超(医療介護CBニュース)

ウイルスなどが原因で発症する「急性脳炎(脳症)」の患者数が昨年同期の2倍近くになっていることが、国立感染症研究所のまとめた患者報告で分かった。特にインフルエンザウイルスに関連した脳症の報告が目立っており、同研究所によると、今シーズン(8月末以降)は過去3シーズンと比べて15歳未満の割合が高いといった特徴が見られるという。【新井哉】

【「急性脳炎の報告数、昨年同期の2倍近くに」のグラフ付き記事】

 急性脳炎は、さまざまな病原体による脳組織の炎症に起因する疾患群の総称。インフルエンザなどの先行感染を伴い、高熱に続き、意識障害やけいれんが突然現れ、それが持続する。中には発熱以外に症状がないまま急激に進行し、原因の究明が難しいケースもあるという。

 同研究所がまとめた今年の急性脳炎の報告数(3月20日時点)は253例で、昨年同期(139例)よりも114例多かった。都道府県別では、東京が37例で最も多く、以下は埼玉と大阪(共に18例)、愛知(16例)、千葉と福岡(共に15例)、神奈川(13例)、北海道と兵庫(共に12例)などの順だった。

 同研究所によると、急性脳炎の報告のうち、インフルエンザウイルスに関連した15歳未満の急性脳症(インフルエンザ脳症)が3月6日時点で138例あった。昨シーズン(64例)の2倍以上で、100例を超えたのは、新型インフルエンザ(AH1pdm09)が流行した2009年から10年にかけてのシーズン(276例)以来。

 また、インフルエンザ脳症に占める15歳未満の割合は85.7%となっており、過去3シーズン(60.9-71.1%)と比較して「高い特徴が見られた」としている。