大阪大学のグループは１６日、手術の際、心臓を止めるために必要な人工心肺を使わず、心臓の弁の手術を行うことに成功したと発表した。

　心臓や大動脈を切開する手術では「人工心肺」と呼ばれる心臓と肺に代わる装置を使い、心臓をいったん停めているが、脳梗塞などの合併症が起きる可能性もあるなど、課題もあった。

　大阪大学の澤芳樹教授のグループは今回、心臓の「僧帽弁」が働かない患者に、人工心肺を使わず、数ｃｍ切開した皮膚から特殊な器具を入れることで、弁の位置などを整える国内初の手術に成功した。

　患者は「明くる日に食事や会話もできますんで、重要な臓器の手術を受けたという感覚はなかったです」と感想を述べた。

　心臓を止めずに手術できることから、患者の体への負担を軽くできる効果も期待されている。