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8つのデータで梗塞発症率予測 国立がんセンターなどプログラム開発
≪生活習慣病≫
血圧やコレステロール値などの健診データと、喫煙の有無などの生活習慣を基に、現在40~69歳の男女が今後10年間に心筋梗塞と脳梗塞を発症する確率を予測するプログラムを、国立がん研究センターと藤田保健衛生大(愛知県)の八谷寛教授(公衆衛生学)らのチームが開発した。選択肢を選んだり数値を入れたりすると、発症確率を表示するサイトも公開した。
チームは、1993年時点で全国9カ所の保健所管内に住んでいた約1万6000人の中高年男女を平均16年間追跡し、観察開始から10年の間に心筋梗塞を発症する確率を予測するのに必要なデータは8種類であることを突き止めた。具体的には(1)性別(2)年齢(3)現在の喫煙の有無(4)降圧薬服用の有無(5)最大血圧(6)糖尿病の有無(7)HDL(善玉)コレステロール(8)HDL以外のコレステロール(LDLコレステロールと中性脂肪)。
チームはまた、脳梗塞については(8)を除く7種類のデータで予測可能なことも確かめた。予測結果の正しさは、別の約1万1600人の集団でも確認できたという。
八谷教授は「発症確率が10%を超える場合はかなり高いと考え、禁煙し、食事に気を配るなど生活習慣を見直すきっかけにしてほしい」と話す。
サイトでは、血圧が高めで降圧薬を飲んでいない人の方が、降圧薬服用中の人より発症確率が低く出る場合もあるが、八谷教授は「降圧薬のメリットは過去の研究から明らか。治療中の人は医師の指示に従い服用の継続を」と呼び掛けている。
サイトのURLはhttp://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html