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そのうっかりミス、実は…高齢者だけじゃない「新型認知症」の正体
脳の障害によって、記憶力や判断力、注意力などが衰える認知症。これと似た症状の背景に、うつ病が潜んでいる場合が少なくありません。うつによる認知機能の低下は、「新型認知症」と呼ばれることもあります。1月10日放送の深層ニュースでは、東京医科歯科大の朝田隆特任教授と脳神経外科医の工藤千秋さんが、一見よくある“うっかりミス”に紛れた新型認知症の症状や、新型認知症になりやすい人のタイプなどについて解説しました。(司会・右松健太キャスター、久野静香アナウンサー)
【ゲスト】
朝田隆(あさだ・たかし) 東京医科歯科大特任教授。筑波大名誉教授。メモリークリニックお茶の水院長。認知症予防、治療が専門。
工藤千秋(くどう・ちあき) くどうちあき脳神経外科クリニック院長。デイケアなどで認知症予防に取り組む。
【コメンテーター】
田村良彦(たむら・よしひこ) 読売新聞メディア局専門委員。ヨミドクターで『田村専門委員の「まるごと医療」』を連載中。加齢で前頭葉の働きが低下
右松 仕事や普段の生活で起きる、ちょっとしたミス。「休みボケかな」とか、「年齢のせい」と片付けている方もいらっしゃるかもしれないんですが、実は高齢者だけではなく、働き盛り世代でも注意が必要な新型認知症というものがあるんです。今夜は、そうした危ないうっかりミスについて、ゲストにしっかり伺いたいと思います。朝田さん、そもそもこのうっかりミスというのは、何で起きるものなんでしょうか?
朝田 脳の加齢が一番の原因ですね。脳の病気では、たいてい前頭葉がやられます。前頭葉というのは脳の司令部で、注意力、判断力などに関わるため、加齢により、うっかりミスがふえてくるのです。顔と手を刺激して老化防止
右松 工藤さん、脳の老化は防ぐことはできるものなんでしょうか。
工藤 これができるんです。このフリップをご覧いただけば、脳の中で顔と手の占める場所が非常に大きいことがわかると思います。広い面積を占めている顔を、広い面積を占めている手で刺激する。そうすると、脳はどんどん元気になっていくわけです。
右松 トレーニングの方法はあるんですか。
工藤 はい、私が「変顔体操」と名づけた運動があります。ぜひ一緒にやってみていただきたい。まず中指を鼻の横へ押しつけてみてください。そうすると、とても痛い場所があると思います。そこが顔の知覚をつかさどる三叉(さんさ)神経という大事な神経が出てきている場所なんです。ここを刺激しながら、人さし指でまぶたをぐるぐる押す。そして残りの指で口の横を持って、ぐるんぐるん回してください。どうですか? これで顔がスキッとしませんか。
右松 温かくなってきた感じがします。これは1日に何回ぐらいやるといいですか。
工藤 何回ということはないんですが、暇になったとき、特に朝起きたとき、それから昼間にボーッとしてきたとき、夜眠くなってきたとき、どんどんやりまくることです。1/5ページ