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家族が認知症かも…と思ったら? 医師「早めの薬で機能低下を緩やかにできる」

もし家族が認知症かもしれない、と思ったらどうすれば良いのか。

 各市町に相談窓口があり、兵庫県東播地域の2市2町では地域包括支援センターが担う。同県加古川市内なら、6カ所の同センターで、簡易検査「脳の健康チェック」を受けることができる。

【イラスト図解】受診までの流れと診断内容

 きちんとした認知症の診断は、かかりつけ医か、認知症相談医療機関を受診する。本人が受診を拒むケースも多いといい、「もの忘れ外来」がある中田医院(加古川市)の野田佳克医師(36)は「先に家族だけ来てもらって、対応を相談することもできる」と話す。

 診断はまず問診から。本人に自覚症状などを質問し、家族には症状の有無やできなくなったこと、持病などを詳細に問う問診票に記入してもらう。「本人と少し話したり、雰囲気を観察したりするだけで分かる場合も多く、問診は最も大事」と野田医師。

 次は認知機能検査で、「長谷川式認知症スケール」などが使われる。本人に日付や曜日、その場で伝えた言葉などを答えてもらう検査で、一定の点数以下なら「疑いあり」。続いて血液検査。中田医院ではここまでを受診した日に行う。

 磁気共鳴画像装置(MRI)などを使って脳の萎縮している部分や程度をみる頭部画像検査は、設備のある病院で行う。検査結果が出れば、次回の来院の際に診断を伝え、今後の治療や薬について話し合う。

 認知症も早期発見・治療が重要。野田医師は「早めに薬を飲み始めれば、機能低下を緩やかにできる。認知症と分かれば家族の対応も変わり、介護の準備も余裕を持てる」と強調する。

 「認知症疾患医療センター」に指定されている加古川中央市民病院も相談を受け付ける。地域連携室TEL079・451・8650

(切貫滋巨)