介護・医療関連ニュース

高齢者の誤嚥防止、飲料にとろみの自販機 介護の負担軽減

のみ込む(嚥下(えんげ))機能が低下した高齢者などのために飲料にとろみを付けるカップ式自動販売機を、医療介護補助食品製造のニュートリー(三重県四日市市)と自販機運営・管理のアペックス(愛知県大府市)が共同開発した。介護現場では誤嚥や窒息防止のため手作業で飲料にとろみを付けているが、この自販機を導入すれば負担を軽減できるとしている。

 開発した自販機は、医療機関で使われている専用のとろみ材を使用し、撹拌(かくはん)作業を自動化。嚥下機能に応じて▽うすい▽中間▽濃いの3段階のとろみを選択できる。温度や原材料によってとろみにむらができないよう、大学など研究機関の協力を受け、約2年かけて開発した。

 介護の現場では人手不足が深刻で、飲料のとろみ付けも職員らの負担になっている。ニュートリーの担当者は「新型の自販機を多く設置し、手軽においしい飲み物を安心して楽しんでもらいたい」と話している。

 先月31日、日本歯科大学口腔(こうくう)リハビリテーション多摩クリニック(東京都小金井市)に設置した。2021年までに全国の医療機関や高齢者施設などを中心に2万台の設置を目指す。