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BPSDの要介護度悪化、生活行為の自立度が関連 - 厚労科研の研究班が分析(医療介護CBニュース)

認知機能の低下やBPSD(認知症の周辺症状)のある要支援者における「要介護度の悪化」について、金銭管理や薬の内服などの複雑な認知処理を含む「生活行為の自立度」が関連していたとの分析結果を厚生労働科学研究の研究班がまとめた。【新井哉】

 研究班は、2014年度に介護保険認定の調査を受けた2万4535人と16年度に調査を受けた2万6252人を調べた。14年度の要支援認定者のうち2年後の経過を追跡できた6219人について、認知機能正常群と認知機能低下群のそれぞれの群で、2年後の介護度認定の変化に関する要因を分析。BPSDの関連症状がある要支援認定者2176人についても同様の方法で分析した。

 認知機能正常群の介護度認定の変化に「有意に関連していた項目」は、▽移動▽日常の意思決定▽服薬管理▽洗身▽爪切り―の5項目。認知機能低下群では、▽日常の意思決定▽服薬管理▽金銭管理▽排尿▽洗身▽買い物▽嚥下―の7項目だった。

 BPSDの関連症状のある要支援認定者に関しては、介護度の維持・改善と悪化に「有意に関連していた項目」は、▽歩行▽薬の内服▽金銭の管理▽日常の意思決定―の4項目だった。

 これを踏まえ、研究班は、認知機能の低下とBPSDのある要支援者における要介護度の悪化については、「特に金銭管理や薬の内服といった複雑な認知処理を含む生活行為の自立度が関連していた」と指摘。これらの生活行為に対する支援は「要介護状態への移行を予防する上でも重要であることが示唆された」としている。

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