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県境を越えた圏域で医療・介護サービス提供 - 総務省の研究会が報告書(医療介護CBニュース)

総務省の有識者の研究会が2040年を見据えた自治体行政の方向性を盛り込んだ報告書をまとめた。都道府県が設定している二次医療圏を取り上げ、県境を越えた圏域で医療・介護サービス提供体制を構築するよう提案している。【新井哉】

 都道府県は、医療計画の中で病院・診療所の病床の整備を図る地域的単位として二次医療圏を設定している。二次医療圏の設定をめぐっては、これまでも見直しが行われてきたが、都道府県内で人口や患者の流入・流出などを基にした調整に限られていた。

 県境を越えた圏域の設定については、13年に開かれた社会保障制度改革国民会議の会合で、永井良三委員(自治医科大学長)が、県境を越えると多くの医療機関がある場合、住民は隣接する他県の病院を受診しているケースがあることに触れ、二次医療圏を拡大し、県境を含む医療圏の設定を考慮する必要性を指摘していた。

 今回の報告書では、広島、岡山両県の県境を越えた「備後圏域連携中枢都市圏」(福山市、井原市など8市町)を取り上げ、こうした都市圏で、▽救急医療体制の確保▽圏域内の病院間連携▽在宅医療・介護の連携-などを調整して対応できれば、「県境を越えて広がる住民の生活実態等に即し、圏域の医療・介護サービス提供体制を構築することができるのではないか」との見解を示している。