介護・医療関連ニュース

【医師に聞く】生活習慣病予防のために、先生が実際にやっていることを教えて!

生活習慣病予防のために、お医者さんご自身はどんなことを実践しているかは気になるところ。食べたほうがいいもの、食べないほうがいいものなどの食生活から、生活習慣について、河西内科循環器科クリニックで院長として地域医療に貢献していらっしゃる河西院長に、お話をうかがいました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

【医師に聞く】生活習慣病予防のために、先生が実際にやっていることを教えて!

河西 研一先生(河西内科循環器科クリニック 院長)

【この記事の監修医師】
河西 研一先生(河西内科循環器科クリニック 院長)
金沢医科大学医学部卒業、医学博士。いくつかの病院での研鑽を経て、横浜市磯子区の林内科医院に勤務。2002年からは副院長に就任。2005年、熱海市に河西内科循環器科クリニックを開業、現在に至る。1989年に慶應義塾大学理工学部機械工学科を卒業後、バブル期に会社員を経て金沢医科大学医学部に編入学という異色の経歴を持つ。
2018年11月に、専門性の高いクリニックが複数入るクリニックビルの事実上のオーナーとなり、日本初の多施設共通受付・自動会計システムを導入するなど、医療を通じて様々なことにチャレンジしている。

【医師に聞く】生活習慣病予防のために、先生が実際にやっていることを教えて!

禁煙はもちろん、分煙を店も注意しよう

たばこはNG、酸化した油は避けよう

編集部:
先生が生活習慣病予防のためにやっていらっしゃることは何でしょう。

河西先生:
だいたいの医者は、不養生なんですけどね(笑)。まず、私は循環器科が専門ですから、たばこは吸いません。たばこは、生活習慣病にとって最も悪い習慣です。患者さんにも禁煙をすすめています。また、たばこの煙がある環境にも近寄らないよう気をつけています。そのため、喫煙可能なお店には、できるだけ行かないようにしています。

編集部:
分煙のお店はどうでしょうか?

河西先生:
分煙ではだめなんです。仕切りで仕切ったとしても、空気中の有毒物質の数はあまり変わりませんから。また、車の中でたばこを吸う人がいると、最悪です。北京の、ほとんど先が見えない光化学スモッグの中よりも、有毒物質の数が多いといわれています。車内を換気すればいいと思うかもしれませんが、窓を開けてもほとんど変わりません。

編集部:
食事で気をつけていらっしゃることはありますか?

河西先生:
酸化した油を避けることですね。よく、スーパーやコンビニで揚げ物が売られていますが、それをもう一度電子レンジで温めたものが身体にはよくありません。揚げたあと、時間がたっているだけならまだましです。しかし、それを再加熱すると、油が酸化して、血管の動脈硬化を進めてしまいます。ですから生活習慣病を予防するためには、酸化した油は禁物ということです。

編集部:
揚げたてなら大丈夫ということですね。

河西先生:
新しい油を使っているてんぷら屋さんで、揚げたてを食べるのは、そんなに問題はありません。ただし、何回も使い回しをしている油は、酸化していますから気をつけたほうがいいですね。

編集部:
油の種類ではどうでしょう?

河西先生:
体にとっていい油もあります。たとえば魚の脂はいい油です。常温で固まるか固まらないかが、体にとっていい油かどうかの目安です。お肉を焼いて冷えると脂が固まりますが、魚の脂は焼いて冷めても固まりませんよね。患者さんにも、そのように説明しています。

編集部:
常温で固まる油はどうしてダメなんでしょうか?

河西先生:
常温で固まる油は、体を酸化させてしまうため、動脈硬化の原因になります。ですからお肉は、霜降り肉よりは赤身のほうがおすすめです。市販の油は、どれも大量にとるわけではありませんから、とくにダメなものはありません。油の種類を選ぶより、酸化したものを避けることが大切です。

次ページは:ナッツを積極的に摂取