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臓器の仕事にも影響が! 心臓や膵臓、腎臓にも脂肪がつく...”第三の脂肪”っていったいナニ?

今回寄せられたのは、皮下脂肪、内臓脂肪に続く「第三の脂肪」についての質問です。第三の脂肪とは何か? 体にはどんな影響を及ぼすのか? 早速、ワインに関する著書も出されている秋津壽男医師に、教えていただきましょう!

臓器の仕事にも影響が! 心臓や膵臓、腎臓にも脂肪がつく...”第三の脂肪”っていったいナニ?

第三の脂肪(異所性脂肪)とは?

日本人の体質は「異所性脂肪」がつきやすい

Q:秋津先生は「本当に怖いのは、第三の脂肪」(幻冬舎)という本を出されていますが、そのテーマにもなっている「異所性脂肪」とはどんなものなのでしょうか。肥満との関係性についても教えてください。

── 先生、第三の脂肪(異所性脂肪)とは何ですか。

「脂肪というと、内臓脂肪と皮下脂肪という区分が一般的ですよね。これらの脂肪を知るうえで、まずは脂肪がどのように蓄積されるのかを説明しましょう。
体に入ってきた栄養素(糖質、脂質、蛋白質など)は腸で吸収されて、形を変えていったん肝臓に蓄えられ、そこから全身に運ばれていきます。このとき使われない余分な脂質は中性脂肪などに加工されて、腸を包んで保持している腸間膜という膜の縁に一時的に蓄積されます。これが内臓脂肪です。さらに内臓脂肪がどんどんたまってくると、今度は皮膚の下の脂肪組織に蓄積され、皮下脂肪となります。

この2つの脂肪の特徴として、脂肪の中に血管が通っている内臓脂肪はつきやすく落ちやすく、一方、内臓の外側にあり血管が通っていない皮下脂肪はついてしまうとなかなか落ちづらくなります。また、皮下脂肪は出血を伴わないぶん、脂肪吸引のような荒療治もできるんですね。

最近になって、この内臓脂肪と皮下脂肪以外の部分にも脂肪がたまることがわかってきました。それが第三の脂肪 “異所性脂肪“ です。有名なものに脂肪肝(肝臓に脂肪がたまった状態)がありますが、同じように心臓や膵臓、腎臓などの臓器自体にも脂肪がつきます。臓器というのは必ず血液で栄養を補給されており、血液は糖と酸素と脂肪を運ぶ器官ですから、血液の流れているところには脂肪がたまり得るということです」

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