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心不全の入院患者26万人 毎年1万人増、高齢化が影響

心不全で入院した国内の患者数が、2016年は26万157人だったと国立循環器病研究センターが19日発表した。12年の約21万人から毎年1万人のペースで増え続けているという。

 同センターは日本循環器学会と共同で、循環器の専門医がいる全国1353の施設を調査している。循環器の病気で入院する患者のほぼすべてが含まれるという。

 増加の主な原因は高齢化だ。だが、年齢別の人口比をもとに調整し、高齢化の影響を差し引いても、心不全の入院はわずかだが増えているという。

 同センター循環器病統合情報センターの宮本恵宏センター長は「急性心筋梗塞(こうそく)の治療態勢が進歩し、命を落とす患者が減ったが、心臓に後遺症を抱えて暮らす人が増えていることが心不全の増加につながっている」と分析する。高血圧などが増え、40代などの比較的若年で心筋梗塞を起こす人が増えていることも要因という。

 調査では、16年の急性心筋梗塞での入院は7万3421人だった。

 また、過去のデータも含めて抽出した心不全患者約11万人では、男性の平均年齢が75歳、女性が81歳で、特に女性は高齢の患者が多かった。(鍛治信太郎)