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グルコース濃度に応答して血中から脳内に薬剤を届けるナノマシンを開発(国立研究開発法人 科学技術振興機構)

脳への薬剤の送達を妨げる「血液脳関門(Blood-brain barrier:BBB)」を、既存の技術と比較して桁違いに高い効率で通過し、脳内の神経細胞へ送達できる「BBB通過型ナノマシン」の開発に成功しました。

BBB通過型ナノマシンは、外部刺激(グルコース濃度の変化)に応答して能動的にBBBを通過するスマートな機能を有しています。食事などによって血糖値が変化することに伴うBBBの生理的な反応を利用した点が特徴であり、空腹時にナノマシンを注射してその後に食事をするという簡単な方法だけで脳内に薬を効率良く運ぶことができます。

医工連携の体制で開発されたBBB通過型ナノマシンは、様々な薬を脳内に運ぶことができます。特に、抗体医薬や核酸医薬など従来神経疾患には適応困難であった高分子医薬の脳への送達を初めて可能にする画期的な基盤技術であり、根本治療法が確立されていないアルツハイマー病などの難治性脳神経系疾患の治療薬開発を大幅に推進することが期待されます。

国立研究開発法人 科学技術振興機構 プレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20171019-5/