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アルツハイマー病を2滴の血液で診断。アルツハイマー病の血液診断法の開発(京都府立医科大学)

京都府立医科大学分子脳病態解析学の徳田隆彦教授、京都府立医科大学在宅チーム医療推進学(神経内科学併任)の建部陽嗣特任助教らは、アルツハイマー病患者の脳に特異的に蓄積する病的蛋白質であり、その大脳内での広がりが認知症の発症と直接的に関連していることがわかっているリン酸化タウ蛋白(p‐tau)を、ヒトの血液中で特異的に定量できる超高感度定量系を世界で初めて開発し、アルツハイマー病患者およびダウン症候群患者では正常対象者と比較して血液中p‐tauが高値であり、それによってアルツハイマー病の診断ができることを報告しました。今回の研究は、アルツハイマー病に特徴的な脳病理である大脳でのリン酸化タウの蓄積を、血液バイオマーカーを用いて、正確・迅速かつ非侵襲的に診断できることを世界で最初に示した画期的な成果です。

本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の認知症研究開発事業からの委託研究開発費によって行われました。(補助金課題名「アルツハイマー病の既存髄液バイオマーカーの血液および脳由来エクソソームへの展開とそれらを応用した多項目血液マーカーによる診断システムの実用化」、研究代表者:京都府公立大学法人京都府立医科大学分子脳病態解析学・教授・徳田隆彦)。また、本研究成果については、グローバルレベルの国内診断機器・試薬メーカーと実用化に向けた共同研究を検討しています。
本研究成果は、オンラインジャーナルである「Molecular Neurodegeneration」誌に、2017年9月4日(月曜日)午後(英国時間)に公開されます。

 京都府立医科大学プレスリリースより
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2017/20170905.html