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アルツハイマー病で記憶は失われていない可能性・理化学研究所

「アルツハイマー病初期の患者の記憶は失われているのではなく、思い出すことができないだけかもしれません」
理化学研究所センター長 利根川進博士

 

長い間、謎だったアルツハイマー病のメカニズムを
理化学研究所脳科学総合研究センターの利根川進氏らの研究チームが解明し、発表しました。

 

理化学研究所の研究チームは、過去の研究より、記憶は海馬の「記憶エングラム」と呼ばれる細胞群に保存されることを証明していますが、今回の研究では、人為的にアルツハイマー病を発症させたモデルマウスで、この「記憶エングラム」がどのようになっているのかを調査しました。

 

この調査結果から、モデルマウスは、記憶を正常に形成し、保存しているが、想起できなくなっている可能性が示唆されるということです。利根川進博士は、

「少なくとも、アルツハイマー病初期の患者の記憶は失われているのではなく、思い出すことができないだけなのかもしれないのです。
初期の患者には記憶を保持する細胞が維持されているというのであれば、将来、これらの細胞から記憶を取り出す技術が開発されれば、障害を軽減できるかもしれません。」

とコメントしています。


研究の成果につきましては、
理化学研究所のプレスリリースをご覧下さい。
http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160317_1/digest/