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生の果物や野菜を食べると唇や口の中が腫れる…「口腔アレルギー症候群」の可能性
子どもの健康を考える「子なび」
子どもの食物アレルギーについて、国立病院機構相模原病院臨床研究センター副臨床研究センター長の海老沢元宏さんに聞きます。(聞き手・矢沢寛茂)
花粉のたんぱく質と似た構造
生の果物や野菜を食べると、唇や口の中、耳の奥などが腫れて、かゆくなったり、痛くなったりすることがあります。食物アレルギーの一つの「口腔アレルギー症候群(OAS)」の可能性があります。
13歳の中学1年生の女子は、ある時から、リンゴやモモ、生野菜のサラダなどを食べると、5分ほどで口の中にピリピリした感覚を訴えるようになりました。口にできない品目は徐々に増えましたが、缶詰やジャムなど加工処理後のものは問題がありません。専門医を受診すると、OASと診断されました。
彼女は7歳の頃から、スギやシラカバなどの花粉症(アレルギー性鼻炎)があり、医師から「関係があるかもしれない」と言われました。生の果物や野菜に含まれるたんぱく質は、花粉のたんぱく質と構造が似ており、アレルギーを起こすことがあるのです。発症のおそれがある品目の一覧を渡され、それ以外でも、異変を感じたら食べないようにとの指導を受けました。
OASは幼少期以降、年齢が上がるほど発症が多くなり、花粉症との関連がわかれば「花粉―食物アレルギー症候群(PFAS)」と診断されます。最近は、若い世代を中心に増加傾向にあります。
海老沢元宏(えびさわ・もとひろ)
小児科医、アレルギー専門医。東京慈恵医大卒。最新情報を発信する「食物アレルギー研究会」の世話人代表。