用語集

高齢者虐待防止法

介護保険制度の周辺施策の1つ。高齢者虐待が深刻な状態であることを踏まえ、高齢者の尊厳保持の視点に立ち、高齢者の虐待を防止するために、2005年11月に制定された。正式名称は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」。
この法律では、高齢者虐待を、65歳以上の者に対して、現に家庭で養護する者および施設などの職員による虐待行為としている。養護者などによって、高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した時は、市町村へ通報する義務が定めれれている。
高齢者虐待の種類と定義は以下のようになっている。

①身体的虐待
高齢者の身体に外傷が生じ、また生じるおそれのある暴行を加えること。

②ネグレクト(養護の放棄)
高齢者を衰弱させるような著しい減食または長時間の放置、養護者以外の同居人によよる①、③、④に掲げる行為の放置等、養護を著しく怠ること。

③心理的虐待
高齢者に対して著しい暴言または著しく拒絶的な対応その他、高齢者に著しい心理的外傷を与える行動を伴うこと。

④性的虐待
高齢者にわいせつな行為をすること、または高齢者をしてわいせつな行為をさせること。

⑤経済的虐待
養護者または高齢者の親族が高齢者の財産を不当に処分すること其の他、高齢者から不当に財産上の利益を得ること。

要介護施設従事者等による高齢者虐待の定義は、②のネグレクトにおいて、同居人に関する規定がない点、「高齢者を養護すべき職務上の業務を著しく怠ること」と規定している点、⑤の経済的虐待において、親族に関する規定がない点を除いて、養護者による定義とほぼ同様である。